教区報みみぶくろ

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宣教の多様なかたち—天王寺教会・豊中教会のとりくみ—

天王寺教会の礼拝堂の床が新しいものになりました(写真)。『今や、バリア・フリーは障壁を持つ方々を教会に招くためのものだけではない。礼拝に集う私たちにとっても優しいものだ』といつもおっしゃる永吉先生は、着任されてからトイレの洋式化・手すりの設置など、会員の方が安心して集える礼拝堂・諸室にするために、こつこつ少しずつ整えられてこられました。礼拝堂の床については、もちろん老朽化による問題もありましたが、躓きのないフラットな会堂が整えられました。

今年、豊中教会の主管牧師になられた秋山先生は、この夏、豊中教会の会堂の屋根の補修を行われました。豊中教会の土地建物準備会計の借入金の返済延期を申請され受理されて、とにかく安心し礼拝を守られるように会堂を整えられました。私がおじゃましたときは、まだカバーがかけられていましたけれど、今はきっと美しい屋根が、地域に伝道をしていることだと思います。

前期の常議員会から教会の美化運動を教区では推進してきましたが、宣教は伝道集会や、 キャンプが活発になるのはもちろん、時にはそれ以上に会堂のもっている宣教力を高めていくことにも心砕く教会でありたいと思います。会員の高齢化を、まるで教会の重荷のようにとらえるのではなく、生涯、礼拝生活をしていただけるように、喜んで準備している教会でありたいのです。エレベーターやスロープ、手すりの設置など、すべてをすぐに整えることができるものではないですけれど、借入金の返済延期など工夫することで可能なことがあるならば、教区としてはできるだけ協力していきたいと考えています。いつでもご相談ください。

その意味では、たとえ牧師不在の教会であっても、会堂の玄関が美しい花で整えられ、祈りの場にもまた心のこもった花が飾られている、ただ、それだけでも宣教は進んでいると信じたいと思います。そのような教会をお訪ねするたびに、私自身は力づけられています。

(文責 滝田)

岡山教会の活動の紹介

新しい会堂を与えられて二年目、私たちの教会では、充実した外向けのプログラムを企画運営するために、今年から新しい試みとして「伝道プロジェクトチーム」を立ち上げました。与えられたチャンスは一つも逃さないぞ!という教会員の意気込みと、地域の芸術家の方々のご協力により、上質なプログラムを提供することができております。教会が人々の心の拠り所となると同時に、文化を発信する拠点のひとつとして地域から認知されつつあります。

その一部をご紹介します。八月二十八日には、岡山出身の川島基氏(日本人初のシューベルト国際コンクール優勝者・ベルリン在住)によるピアノリサイタルが、九月十七日には、バロック・チェロの巨匠、ヴィオラ・デ・ホーク氏がバッハの無伴奏チェロ組曲や本邦初公開の楽曲を披露してくださいました。教会で行う演奏会はいずれもチャリティーとし、災害や紛争など痛みを負う地域と連帯するのも目的のひとつです。本物の演奏、しかも超一流のものに触れると、心が洗われ、柔らかく開かれ、不思議なエネルギーが生み出されるような気がします。<今、この場で豊かさを一緒に分かち合った仲間同士>という連帯感が生まれ会場が温かな雰囲気でいっぱいになる。お客さんも「教会コンサートならではの魅力です」と喜んで、次には友人を連れてきてくださり、輪がどんどん広がっていきます。最近では行事のたびに百人を超えるお客さんが詰め掛け、会場が狭く感じるようになりました、贅沢な悩みです。皆様のお祈り、本当にありがとうございます。

 (文責 坂本)

るうてる夏の大会—西中国地区—

七月十六日(日)の午後二時から、シオン教会防府チャペルにおいて、西中国地区「るうてる夏の大会」が行われました。暑い盛りであったにもかかわらず、西中国地区の各教会(下関・宇部・厚狭・シオン)から、大人・子どもあわせて四十六名の参加があり、お互いの交流を深めました。

今回の目玉のひとつは、新しい形の礼拝の試みです。わたしたちの礼拝のルーツは、初代の教会の「食卓の交わり」にあったということを思い起こすため、礼拝の中に、聖餐式とともに「愛餐会」を組み込む、という形で全体が進められました。

★礼拝の第一部のテーマは、「バベルの塔」です。人間の権力の象徴としてのバベルの塔を目に見える形で(小勝先生力作!のダンボールの箱を使って)建築することで、わたしたちの「罪」の告白とし、それを崩して十字架の形に作り変えることで、わたしたちの心を神さまに向かって開き、神さまのもとでお互いのいのちを生かしあうという「信仰」の告白をしました。

★礼拝の第二部は、聖餐式と楽しい祝宴(愛餐会)です。お菓子などを厚狭・下関・宇部の「ASU地区」の教会から、お茶と果物などをシオン教会からそれぞれ持ち寄り、分かち合うときを持ちます。藤井牧師の楽しい司会のもと、各教会の近況などを報告しあいました。下関の男声中心の聖歌隊、厚狭教会のトーンチャイムなどの趣向を凝らした近況報告に、「うちも何か趣向を凝らせばよかった…」と、シオンの牧師が内心ひそかに焦っていたのは、ここだけの話です(^_^;)。

★そして礼拝の第三部は、祈りと派遣、そして祝福です。この大会を通してわたしたちがいただいた祝福をそれぞれの地域に持ち帰り、そこで福音を証していくことができるようにとりなしの祈りを祈り、派遣のことば、祝福を受けて、礼拝は終わりました。
ほとんどはじめての試みということで、戸惑ったところ、手間取ってしまったところも多くありました。けれども、司式を小勝奈保子牧師(宇部・厚狭・下関)、聖餐式を藤井求義牧師(シオン)、説教が西川晶子牧師(シオン)という、若手の牧師たちによる新しい礼拝の試みに、「これからの西中国地区が楽しみだ」と、これからの可能性を感じられた方も多くおられるようです。秋には、ルーテル神学校で礼拝学を教えておられる平岡仁子先生をお呼びして、「礼拝の意味と実践」の勉強会を持ちます。これからの西中国地区を、お楽しみに!

(文責 西川)

きららキャンプ—下関・宇部・厚狭教会プログラム

きららキャンプはもともと厚狭教会の教会学校が始めたものだったのですが、昨年から地域教会のキャンプとして下関、宇部からも参加者を募っています。今回子どもの参加は厚狭教会のみでしたが、大人の参加は下関と宇部からもあり、だんだんと地域教会のキャンプとして成長しています。

子どもの参加 小学生十名、中学生一名、大人の参加二十四名(厚狭十一名、下関八名、宇部三名、他二名)
主題聖句「わたしについて来なさい、人間をとる漁師にしよう。」(マルコ一章十七)主題テーマ イエスさまとのガリラヤ宣教旅行(関門海峡の町で夏を楽しむ)〜「居心地」について考えよう!(自分、となりの人、そのまたとなりの人)〜

イエスさまは弟子たちに「向こう岸に渡ろう」とガリラヤ湖を船で渡られました。それに倣い、門司港から下関へ関門海峡を船で渡るという体験を通して、イエスさまとお弟子さんたちのガリラヤ宣教旅行を追体験するキャンプを計画しました。門司港では、お天気に恵まれ、海と空のブルーの輝きがとても鮮やかな景色でした。太陽の日差しは強かったものの、木立の陰に海風が吹きさわやかなひと時でした。子どもたちは門司港の風景をスケッチして楽しみました。

今回は宿泊を下関教会としたため、多くの奉仕者の参加を確保することができました。下関教会の大末兄のお話や田中美紗子姉のフォークダンス、宇部教会の四方夫妻のゲームなど、厚狭教会以外の多くの方の協力を得て充実したプログラムを実施できました。

他にも、「シロアムの池に行って洗おう」と銭湯に行くと、ラベンダー風呂だったり、イエスさまが家や会堂を訪ねたことに倣い、求道者のお家や近隣の教会を訪問し真夏のキャロリングをしたり、関門海峡の夏を満喫しました。
以下は厚狭教会の教会学校校長の國吉姉のご報告です。

今回のキャンプのテーマは「居心地について考えよう」でした。自分の居心地がよいことは大切であり必要なこと。でも、となりの人が居心地よいことも大切、そのまたとなりの人の居心地についても考えることができるように、ということで、「よく聞く・よく見る、よく考える、よく祈る」という約束(目標)を決めました。門司港について木陰にて過ごした三時間、心地よい風を感じながら、海と空そしていろいろな船、関門橋等を眺めて過ごしました。子どもたちはスケッチをしたり、居心地について考えました。その時、居心地が良い理由の一つに「景色が良いから」というのがあり、同感!感動しました。

イエスさまがガリラヤ湖を前にして、「向こう岸に渡ろう」と言われましたことを覚えて、船で唐戸まで行きました、十分足らずの船旅でしたが、初めて船に乗った子どもたちもいました。毎回、何のためにこのキャンプをするのかも常に確認しつつ、祈りつつ準備を進めていますが、キャンプの間中、安全が守られ感謝でした。神さまが守り導いてくださったことを私共は知っていますが、その中に、数え切れない恵みがあったことをご報告いたします。

(文責小勝)

関西CSキャンプ

開催日時は八月三〜五日の二泊三日、全日晴天に恵まれた中、奈良市月ヶ瀬クリエートという松原市の少年施設を貸しきって行われました。参加人数は、幼児も含めてのべ百十名でした。

テーマは「The.ザアカイ」で、天王寺教会の杉本幸子姉の扮するアカイファンドのアカイさんを軸に展開されました。私たちのキャンプに、アカイファンドのアカイさんがたまたま休暇で一緒になり、人嫌いのアカイさんは、とにかく子供たちの騒がしい声が嫌いなので、ことあるごとに子供たちは怒られてしまいます。けれども、イエスさまのお話を聞いたり、子供たちの優しさにアカイさんは徐々に変化してきて、二日目のカレー作りには、遠いところではあるけれど一緒に食べたり、キャンプファイアーでは人と触れ合うことの喜びのあまり、最後にはアカイさんが子供たちにパラパラを教えてくれ、盛り上がりは最高潮に!

最終日にはアカイさんが子供たちを呼んでパーティーを開いて、おやつのごちそうしてくれたのでした。「The.ザアカイ」=「ザ・アカイさん」と幸子姉が上手に、そして信仰的にお話をしてくださって種明かしとなりました。

今回最強の下支えになってくださった、吉井姉、福永姉、坂梨姉、渡辺姉、別府姉、杉本姉、越後谷姉というご婦人生活班に心から感謝しつつ、渡辺姉は最後までアカイさんが杉本姉に似ていて親戚かしらと思っていたというエピソードは、むしろスタッフ全員を驚かせる出来事でした。

能勢キャンプ場閉鎖以後、色々な意味で心配が続く関西キャンプでしたけれど、この月ヶ瀬でしばらく安住の地を見出したという感じです。片山幹子姉、秋山綾子姉を中心としたテーマにそったキャンプの展開も安定してきました。
関西キャンプの強みは、リピーターの子供たちが多く、このキャンプで育ったスタッフが少なからずいるということです。神戸教会のてるひちゃん、修学院教会の若松くん。またここ数年、天王寺教会の幼稚園の先生が参加してくださることで、幼稚園の子供たちのリピーターがこれからもっと増えてくれたらと願っています。

是非、一度、他の地区の方々も参加してください。子供たちも送ってください。きっと喜んでもらえると思います。

(文責 滝田)

西教区青年会

西教区青年修養会が八月二十日〜二十二日に淡路島のウェルネスパーク五色で無事に行われました。

宿泊したのは、瀬戸内を望む緑豊かな木立の中に建ち、自然のささやきを聞きながら過ごせるログハウス。自然のぬくもりを感じられる、木造の造りになっていました。

修養会では、「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」詩篇百三十三篇一節 という聖句をもとに、「語り合い、励まし合い、喜び合う」というテーマで行われ、分かち合いました。

夏の太陽が降り注ぐ中、参加者十七名!初参加の方、また久しぶりに会う仲間もいましたが、みんなの輪の中にいて居心地がよく、思わず嬉しくなって微笑んでしまう優しい空間でした。

エキサイティングナイト(花火)&ダンスナイトで盛り上がった一日目。御言葉を分かち合い、「共に座る」ことが、「心も共に座る」ことだと気付かされた二日目。その後、海に繰り出し波に漂い、うず潮を見に行きました。夕食には海の幸も堪能!夜はしっとりジャズナイト。ジャズをBGMに笑いあり涙あり(?)心ゆくまで語り合いました。

最終日には、派遣礼拝を守りました。兄弟姉妹との出会い・分かち合いに素直に感謝できるひとときでした。

嬉しいことに、今回も新しい仲間が与えられ、また会を重ねるごとに交わりが深まり、みんなで協力し合い、テーマ通り「語り合い、励まし合い、喜び合う」交わりだったと感じています。このような活動が出来ましたのも、教区の皆様のご支援や助け、またお祈りに支えられてこそと感謝しております。これからも青年会活動を通して与えられた出会いを大切に、互いに祈りあい、楽しんで活動していきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

西教区青年会 中島香奈